血中の総コレストロールの80~90%は、肝臓などで合成されています。約10%程が食事に由来するもので、食事から摂取した総コレストロール量が過多の場合、肝臓での合成量が減少、血中総コレストロール値が高くならないようバランスが取られる仕組みになっています。
ただ、食べ過ぎ、飲み過ぎが続いてしまうと、肝臓でのLDL(悪玉)コレストロール値が増加し、肥満や運動不足、魚より肉中心とした食生活が重なると、血中LDLコレストロールを高くしてしまいます。
今回は、そんなLDLコレストロール値ダウンに効果的な食品をご紹介しましょう。
海藻類
カロリーが低くてダイエットに有効的なわかめや昆布には、「アルギン酸」とよばれる食物繊維を含んでいますが、野菜の食物繊維と同じく、腸内LDLコレストロールを排出する作用があります。
大豆・大豆製品
大豆にはサポニンやレシチンが含まれていて、動脈硬化の原因になる過酸化脂質を作りにくくする働きがあります。さらに、大豆のタンパク質は、血中LDLコレストロールを減少させる作用があり、豆腐などの大豆製品もオススメです。
オレイン酸
LDLコレストロール値が高い場合、不飽和脂肪酸を豊富に含む肉は大敵。そして、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の程よいバランスが大切です。LDLコレストロールを減らす働きを持つ不飽和脂肪酸は、植物油や魚油に多く含まれますが、特に、オリーヴ油に豊富に含まれる一価不飽和脂肪酸は、LDLコレストロール値を下げるだけでなく、HDLコレストロール値を減少させない特徴があります。
ただ、エネルギーはどの脂肪とも共通しているために、摂取しすぎは十分に気をつけましょう。
ビタミンE
アーモンド、アボカド、かぼちゃなどはビタミンEを多く含んでいて、その抗酸化作用がLDLコレストロールの酸化予防に役立ってくれます。また、ビタミンCと一緒に摂取して、ビタミンEの抗酸化作用を高めるのもオススメ。
ただ、ビタミンEの摂り過ぎは、下痢などを引き起こす原因にもなるので、成人で1日当たり8mgの適量を目安に、摂取を心がけましょう。
欧米食をメインにしている人、忙しさのあまり食生活がとても不規則な人など、現代人にとって栄養のバランスを良くすることがなかなか困難になっています。そうしてLDLコレストロールを増加させてしまうと、動脈硬化や心臓疾患、脳血管疾患などを引き起こす原因にもなりえます。
うまく栄養のバランスを調整し、適度な運動も加えて、健康的なダイエットを行いましょう。